防具にはどうしようもないものが存在する

三月：
……はうぅ～。

政吾郎：
どうした？　ため息なんかついて。

三月：
なんだか夢見が悪くて……はうぅ……。

三月：
この間、貴種ヴァンパイアの話をしたじゃないですか。
そのせいか、昨日貴種ヴァンパイアになる夢をみたんです。

政吾郎：
ふんふん……。
別にどってことない夢じゃないか。
ジョブチェンジなんて誰でもするんだし、三月ちゃん、術式向きだしな。

三月：
いえ、それは別に気にならないんです。
問題はその後、なんですよ。

政吾郎：
ん？

三月：
酉谷先輩が従属種ヴァンパイアでした。
しかも私が従属種にしたみたいで……
そ、その……先輩は……私に忠誠を誓ってました。（ごにょごにょ）

政吾郎：
……ん……ま、まあ、夢だしな。
現実とは関係ないわけだし、気にすることねえって。

三月：
それで夢の中の私が某乙女ゲーに出てくるようなふりふり服を着てたり、
先輩がゾンビの首を食いちぎって高笑いしてたりしたんですが……。
まあ、それはそれで別にいいんです。

政吾郎：
（よくねえよっ！　つーか、オレってどういうイメージ持たれてんだ？）

三月：
そんなわけで、私は先輩を従えてたのですが、
貴種の嗜みとして、サキュバスも連れていました。

政吾郎：
よくある話だな。

三月：
そ、それで、ですね……その、サキュバス、なんですが……。
サキュバスは……高崎先輩でした……。（がくがくぶるぶる）

政吾郎：
……なんじゃそりゃ？

三月：
高崎先輩が神秘特化だからでしょうか？
だからってサキュバスはないです！
「アノ」衣装を着ているんですよ、しかもドールの！！
普通にナシです！ありえません！　そして萌えません！！

政吾郎：
そりゃ……災難だったなあ。（……萌え？）
でも夢だろ。夢。

三月：
そう……ですよね……。
単なる夢、ですから……実際の先輩とはなんの関係もないわけですし……。

政吾郎：
現実はもっと酷いこともあるんだ。
女子スク水とか、な……。
効率で選ぶとときどきとんでもないことになるんだぜ……。（遠い目）

三月：
はうぅ……。
夢でよかったですぅ……。