譲の宝物

譲：
（あちこち焦げた空き缶をなでなでしている）

優一：
あれ～？
ゆずちゃん何してるの～？

譲：
ん？
なんだ、高崎か。

優一：
ねえねえ、ゆずちゃんそれ何？
なんで空き缶なんて持ってるの？

譲：
ああ、これか？
これをそこらの空き缶と一緒にされては心外だな。
これは私と浪漫を共有した、云わば戦友と言える空き缶だぞ。
実によい音がするのだ。（空き缶をカンカン叩く）

優一：
おお～、なんかすごいね～。（ぱちぱち）

譲：
うむ！（得意げ）

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ハッピーバレンタイン２

譲：
ぎぶみーちょこれーと！（ズバっと土蜘蛛のポーズ！）

三月：
譲さん、何やってらっしゃるんです？
は○しのゲンごっこですか？

譲：
はだ○のゲンと隠すとなんだか卑猥に見えるな。

三月：
譲さん、えっちなのは駄目ですよ。

譲：
うむ。自重しよう。

まあそんなことはさておき。
聞くところによると、今日はバレンタインデーというものらしいな。

三月：
ええそうですね。

譲：
三月よ、何か持っていたりはしないか？
おもにチョコやチョコ、もしくはチョコなどを。

三月：
ああ、えっと……チョコ、ですか？
あれなら先ほど高崎先輩と酉谷先輩に配ってきましたが。

譲：
いや、そういう義理チョコではなくてだな。
本命チョコというものを持っていたりはしないのか？

三月：
そ、そんなの持ってませんよ。

譲：
……む。
いやいや、恥ずかしがらずともよいぞ？

三月：
恥ずかしがってなんかいませんっ。
というか、譲さん。
バレンタインのチョコは女の子が男の子にあげるものですっ。
それに同性同士で本命は普通は渡しません。
これは常識です。

譲：
そのような世界結界的なものは来訪者には関係ないのだぞ。
同性ということは土蜘蛛的には全く問題ないのだ。
ほれ見てみろ、葛城山も東北も女王と巫女は同性ではないか。
女王が卵を産んで増えるのだから同性でも何の問題も無い。

というわけで、ぎぶみーちょこれーと、だ。

三月：
もうっ！
譲さん！　私は別に譲さんの巫女じゃないですって！
そういうの全く全然これっぽっちも関係ありません！
だからそんな…ふ、ふふ、ふしだらなチョコなんてぜーったいにあげませんからね！

（べちっと何かを譲の顔に叩きつけてぱたぱたと足早に去っていく）

譲：
しかｓ…うわらばっ！

……むぅ。
強くなったな三月。（額を押さえつつ）

しかしこれは何だ？（三月が投げつけたものを拾い上げ）
……ふむ。三月が描いている同人誌か。

（中をぺらぺらとめくる。そこにはポニテの女性剣士が剣を振るう冒険漫画が）

……？

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ハッピーバレンタイン♪

優一：
カント君♪　バレンタインだよ～♪

優一：
俺、今年もチョコ作ったよ～♪
カント君、はいっ♪（チョコのように見えないこともない素敵な黒い塊を差し出し）

ミ＠｀・ω・´＠ミ
もきゅ？（これはなんですか？という顔をしている）

もきゅ！（なるほどこれはプレゼントか！と気付いた）

もきゅきゅ～♪（バレンタインのプレゼントをもらえたことを喜んでいるようだ！）

優一：
カント君大好きっ♪
これからもずっと一緒だよ～♪（カントをぎゅー）

ミ＠｀・ω・´＠ミ
もきゅきゅっ、きゅぴ～♪（うれしそうに優一の頬にすりすり）



政吾郎：
なあ、アレ……アレで本当にいいのか？
どーみても食い物じゃねえぞアレ。

三月：
酉谷先輩、カントさんをよく見て下さい。
プレゼントをもらえたことに価値があるのです。
プレゼント自体はどうでもよいのです。
あれはそういう顔です。

政吾郎：
なるほど。
言われてみれば確かにそうだぜ。
いつも菓子に一番に食いつくはずが、今回は全く手をつけてねえ！

三月：
ええそうです。
カントさんはあれをきっと大切にしまっておくことでしょう。
おそらくは一生。

政吾郎：
それってダイジョーブなのか？
虫湧くぞ？

三月：
まあ大丈夫でしょう。
虫もあれを食べ物と認識できませんよ。

政吾郎：
何気にヒデーな。

優一＆カント
（ラブラブ空間を形成中。今日は一年のうちでもっともパワーが高まる日でしょう）

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あけましておめでとうございます

政吾郎：
今年もよろしくな！

優一：
よろしくね～♪

三月：
よろしくお願いいたします。

譲：
よろしく頼むぞ。

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即売会

三月：
はうぅ～♪
ついに憧れの即売会へ！
コミマスとして一度は行かなければならない聖地！
ええと…カタログよし。地図よし。小銭よし。回るところに印つけたよし。
はうぅ～♪

譲：
おい、三月。

三月：
はうぅ～♪　はうぅ～♪（荷物つめつめ）

譲：
三月。三月。

三月：
はうぅ～♪　はうぅ～♪（カートにつめつめ）

譲：
三月！

三月：
はうぅ！
ゆ、譲さん!?
い、いつからそこに…？

譲：
「一度は行かなければならない聖地」位からだ。

三月：
はうぅ……お恥ずかしいところを……。

譲：
なに、気にするな。
ところで、どこに行くのだ？

三月：
え？　あ、ああ。即売会ですよ。

譲：
ふむ。あれか。
同人誌とかいう薄い本を作って売るところだな。

三月：
ええ。それです。

譲：
この間描いていたものを売りに行くのか？

三月：
いいえ。あれは夏に申込しないとだめですので…。
今回は買いに行く人になります。
それにあれはその……そういうのじゃないですし。
……結局間に合わなかったし。（ごにょごにょ）

譲：
……？

三月：
ああ、そんなことはどうでもいいですよね！　ね！

譲：
いや…まあどうでもよいのか？

三月：
どうでもいいんです！

譲：
そういうものか。
ならよい。

三月：
はうぅ…。
（何とか誤魔化せました…）

譲：
なあ、三月。

三月：
何です？

譲：
その即売会というものだが、私も行っては駄目か？

三月：
……え？
譲さん、即売会に興味あるんですか？

譲：
うむ。三月がそれほど行きたい場所だろう。
私も一度見てみたいのだが。

三月：
うーん…。
すごく混んで大変そうですけど、大丈夫ですか？

譲：
大丈夫だ。
それにそんな危険な場所なら、ますます三月一人で行かせるわけにはいかないな。

三月：
…ん……まあいいかな。
それでしたら、一緒に行きましょうか。

譲：
うむ！
楽しみにしてるぞ！

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